王様とうさぎさん

「王様、まだ寝るな。
 まだ新しい酒があるぞ」

「もう駄目です」

「獺祭(だっさい)と上善(じょうぜん)だ」

 起きて這い上がろうとする莉王の姿に、忍が言った。

「もうやめてあげてよ。
 もう僕が連れて帰るよ、莉王ちゃん」

「お前、呑んでないのか。
 そうか。
 まあ、明日の準備もあるしな」

 明日の準備?

「七日間、特に何もしなくていいそうだ。

 普通に仕事して帰ってきて、寝ればいい。

 上げ膳据え膳で仕事に行けて楽だろう。

 さすがは由莉子さんだ。

 嫁にまで、素晴らしい気遣いだ」

「それさあ。
 結婚しなかったから、いつまでも理想の女性なわけでさ。

 結婚したら、いろいろ粗が見えてくると思うよ。

 いっそ、よかったね」