王様とうさぎさん

「莉王ちゃん、そういう話が好きな人?」

「私はそういう本読んでないけど。

 潮が読んでる。

 あ、潮って、会社の同期なんですけど」

 あ、そー、と言ったあとで、忍が黙ったので、場が静かになった。

 やばい。
 寝る……。

 静かになると、瞼がより重くなってくる。

 誰かが顔の側に手をついたのを感じた。

「僕がゲイじゃないって、教えてあげようか?」

 ……いてっ、と忍の声がした。

「また、お前は何をやっとるんだ。

 顔はわしに似てるか知らないが、わしはもっと奥手(おくて)だった」

「だから、由莉子さん、とられたんじゃんー」

 及川のようだった。