王様とうさぎさん

「だから、王様やめてくださいってー」

「いや、だって、差し向かいで、莉王ちゃんの方が美人とか真顔で言うと、照れるでしょ」

「忍さんでも、照れるんですねー」

「……ほんっとうに酔ってるね。

 思ってること、全部、口から出てるよね」

「はあ、酔ってなくても、そうみたいですよ。
 卯崎さんが言ってました」

「卯崎さんになってるね」

「え」

「さっき、みんなの前では、允さんって言ってた」

「だって、この家、みんな卯崎さんじゃないですか」

「そのうち、莉王ちゃんも卯崎さんだね」

「なりません〜」
と後ろについていた手を滑らせ、すっ転んだかのように仰向けになる。

 古い縁側の天井が見えた。

 うち思い出すな〜と思いながら、目を閉じる。

 酔った頬に風が気持ちいい。