止まっていた涙が再び滲んできた。


なんだか自分がバカみたいで。


みんなにバカにされる理由がよくわかった気がする。



そもそもよく考えたらあんなイケメンでモテる先輩が、

ちょっと話したくらいのあたしを本気で好きになるわけないじゃんね。


うぬぼれすぎもいいとこ。


そのうえああいうの慣れてるみたいに勘違いされてたなんて

本当に最悪だよ…。



「……あーもう…さいあく…」



蹴った砂の上にポタリと落ちる涙。


今日のためにおろしてきたサンダルももう砂まみれだ。


浮かれてたぶんだけあとのダメージは大きくて。


自分がどんどん惨めに思えてくるよ…



「はぁぁ〜…」



ーーザザッ、



するとその時勢いよく、誰かが走ってくるような足音がした。


そして…



「…美優っ!!」