そこに現れたのは絵里の彼氏、三浦政輝(みうら まさき)でサッカー部の爽やか男子。


政輝はアユと親友で、同じ中学出身。


一年の時あたしたち四人は同じクラスだった。


今はあたしとアユが一緒、絵里と政輝が一緒でクラスは別れちゃったけど今でも四人仲良し。



「懲りねーよな~。

それよりそろそろ彼氏くらい作れば?美優も。

こんなことしてないでさ」



政輝が呆れたように眉を下げて笑う。



「えー?いつでも彼氏欲しいと思ってるよあたし。

ただなかなかイケメンとお近づきになれる機会がないんだよね」



そう、作らないっていうかできないんだもん。


だってイイ男にはたいてい彼女ってもんがいてね…



「アホ。そんなことやってっから彼氏できねーんだよ」


「んもうっ!うるさいよ~アユは!!」



そんなあたしをいつもアユ達はバカにするのだった。



そりゃあたしだって彼氏欲しいよ。

もう高二だし。


あたしのイケメンセンサーは常に稼動中だよ?


でもそれに引っかかるのは90%以上彼女持ちの男なんです。


悲しいことに…



すると絵里がポンとあたしの肩を叩いた。



「っていうか、イケメンならここにいるじゃん」