まだあたしが恋愛とかそういうものに疎かった頃…

従姉妹の真由香はすでに男子の話や恋バナをよくしていた。



「…でね、二組の久保くんがなかなかイケメンでさぁ、委員会が一緒で…」


「へぇ〜〜…」


「てか、メグなんてもう彼氏と色々済ませてるらしいの!

この前ついに年上の彼と…」


「…ひゃ〜っ、そんなことするの…!?

信じられない…」



まだ好きな人すらいなかったあたしには新鮮で、興味深くて。


同い年なのにずいぶんと大人に感じられたものだ。


真由香は流行とかに乗るのも早かったし。

ファッションやメイクに目覚めるのも早かった。



「美優はまだ好きな人いないの?」


「い、いないよ〜!!

うちのクラスの男子とかみんなサルみたいだし!」


「えぇ〜、一人くらいカッコイイ人いるでしょ。

あたしね、実は今回バスケ部の王子と席隣になっちゃってさぁ〜♡」


「バスケ部の王子…?

あぁ、前話してたモテる人??

ワタルくんだっけ?」


「…違う!渡瀬くんだよ!!」