あたしが魂が抜けたみたいに黙ったままその場に立ち尽くしていたら
真由香が不安そうにあたしの顔を覗き込んでくるのがわかった。
それにハッとして、思わず我にかえる。
「あ…べ、べつに付き合ってないからね〜、うちら!
こんな偶然あるんだね〜、あはは!!
超ビックリした!」
気まずくて適当なことをいいながら大袈裟に笑ってみたけど、内心はまったく笑えない。
でも明るく振る舞うしかなくて。
「え〜!お似合いじゃん!付き合っちゃいなよ〜!♡
そっかそっか、美優とアッくんって同じ高校なんじゃん。すっかり忘れてたー」
真由香は気を使ってかテンション高めに話し続けてくれたけど、そんなふうに冷やかされるのもつらかった。
真由香の…元カレ…
アッくん……
その事実だけでもう頭の中がいっぱいになって、とてもいつものノリで返せない。
アユに話しかける言葉も浮かんでこない。
ただ二人が現状報告みたいな話をしてるのを、心ここにあらず状態で聞いていた。
「アッくんバスケは続けてるの?」
「…いや、帰宅部」
「えー、もったいな〜い!上手かったのに!
あ、政輝とか元気?」
「あぁ…アイツは変わんねーよ」



