ひ、人の女…って…//
助けるためとはいえ、いきなり彼女みたいに言われてドキッとした。
「なんだよ、彼氏いんじゃねーかよ」
茶髪の男は途端にしらけたような顔で眉をひそめる。
「あーつまんね、行こ行こ」
「ケッ、彼氏ちゃんと見張っとけよな〜」
そして口々に文句を言うとその場を去って行った。
よかったぁ…
いなくなった……。
するとその後ろでアユが大きくため息。
「…ったく……
お前なぁ、勝手に一人でどっか行くんじゃねーよアホ!!
はぐれたら危ねぇだろーが!」
ひぃっ…、
しかもすごい怒ってるし……。
「ご…ごめんなさい…」
あたしがしょぼんとして謝ると、ガシッと手を掴まれた。
えっ…
そしてまたぎゅっと繋いで…
「もうお前、俺から離れんの禁止だから。
絶対手離すなよ」
どき…。
なんだか所有物みたいな言い方…
だけど、妙に頼もしく思える。
アユはなんだかんだやさしい。
こういう時いつも助けてくれて…。
「…うん。ごめんね、アユ…。
ありがとう」
あたしがお礼を言うと、呆れたように笑った。
「ほんと世話の焼ける奴…」