「おい美優、待てよ!」



後ろから慌てたようなアユの声。


だけどそれに気がついたときには迷子になりそうなくらいの人の群れの中にいた。


とりあえずたこ焼き屋に向かって、人混みをすり抜けて…



ーードン!



するとその時前から歩いてきた人に思いきりぶつかってしまった。



「…きゃっ!

あっ、すみません…」


「…っぶね!」



謝りながらその人を見上げると、ぶつかったのは茶髪の大学生くらいのイマドキのお兄さんで、隣にはその友達らしき男がもう一人。



うわ…なんかチャラそう…


なんて思ってたら



「あーわりぃわりぃ…

ってかお姉ちゃん一人?危ないぜ?

あっ、でもよく見たらけっこー可愛いじゃん」


「ホントだ。可愛いな、高校生?」



…えっ、なにこの空気…



「え…あ…高校生です。

でも友達がむこうに…」


「へー友達待たせちゃって大丈夫?

つうかよかったらそのお友達も一緒に俺らと周らない?

色々おごったげるよ?」



……へぇっ!?


これって…ナンパ…??



「いや…けけ、けっこうですっ!

あたしたこ焼き買いに…」


「そんなこと言わずにさぁ〜」