「とにかく謝るしかないよ。

それでちゃんとアユくんに伝えなくちゃ。美優の今の正直な気持ち」


「……はい…」


「そもそもアユくんの気持ちに気付いてなかった時点で鈍感すぎだしね!

わかってないよ、ほんと美優は。

あたしが今まであれだけアユくん推してたのに見向きもしないでさぁ、それがコクられたとたん意識しすぎてコレだから。もうっ…!」


「スイマセン…」



ハルカ先輩は少々ご立腹だった。


まぁ無理もないか…。


今井先輩の件に続き、色々心配かけてるし。


いつもなんだかんだ色々相談乗ってもらってるもんなぁ…


ほんとにみんなに申し訳なくて泣けてくるよ…。



するとその時後ろから声をかけられた。



「おぉ!相変わらず石田は編み物のセンスがあるなー。

編み目が綺麗でしかも早い。

いい仕事してるぞ」



久々に聞いたその声に少しドキッとしてしまったのは、ハルカ先輩にはもちろん内緒だ。


振り返ってみれば、相変わらずの爽やかな笑顔…。



「部長…!」