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3階の教室から見下ろした視線の先に、仲良さげに喋りながら歩く二人。
瑠依がここにいたら、少しでも、あんな風に出来ただろうか。
手を繋いだりする事も、何一つ無かったんだもの。
「実穂・・・・・・帰んないの?」
ぼんやりと記憶の波にふける私を、現実に引き戻す声がする。
ふっと視線を上げると、もう空は明るさを陰らせ、月が薄っすらと光りだしている。
振り返った先には、私を何とも言えない顔で見る友人の姿があった。
「何かね、物凄く腹が立つ」
「・・・・・・は、あんた何言ってんの」



