PKの二人がログアウトするのを見届けてから、アレキサンダーは、まっすぐ戦士の下へやってきた。

 戦士は手を差し出しながら、アレキサンダーを迎える。

「さすがアレキサンダーだ。君のギルドがなくなって残念だよ。あれば必ず入会しただろうに」

 その手を取りながらアレキサンダーは答える。

「それなら作ればいい。ギルドは誰でも作れるのだから。―――さぁ、ずいぶんと時間と取ってしまった。俺たちよりさきに来ていたのだから、先に兵士からミッションを受けるといい」

「ありがとう」

 戦士がひきいるパーティーメンバーも深く頭を下げる。その中には片膝をついて騎士の礼をとる者もいた。

「ギルド、考えてみるよ」

 リーダーの戦士はそういって城門に向かっていく。

 城門にやってきたプレイヤーにユイたちは声援をかける。

「ミッションがんばって!」

 それに戦士たちも声援を返す。

 そして、城門に背を預けるようにして腕を組んでいたルークをちらりと見て、戦士は続けた。

「いい仲間がいて羨ましい」

「俺が誰だか分かって、言ってんの?」

「ああ、知っている」

 ルークは、戦士の晴ればれとした顔からぎこちなく視線をはずして、自分のパーティーを見据えた。

 パーティーはいずれ解散する。

 今日が終ってしまったら、そのあとは―――

 そんなことがちらりとルークの脳裏をよぎっていた。