「『あの子』が来た!!
皆音をたてないで!隠れよう!」
「……!おい、エレベーターこの階に止まってっぞ!」
「あわわわわ…!は、早く隠れよ!
芽衣、早く早く!」
「うん…!」
急いでエレベーターに駆け込んで口をふさいだ私たちは、1つの音も聞き逃さないように神経を研ぎ澄ませて壁に耳を当てた。
「………、…………」
うーん…!
エレベーターのせいかな…なんて言ってるか聞き取れないくらいに聞こえなくなった。
これじゃあ正確な位置はわからないけど…仕方ないか。
「…………、……の目……」
き、聞き取れるくらいに近付いてきた…っ!
なんか…一直線にこっちに来てるような感じなんだけど…!?
そうだ、さっき悠人くんがぬいぐるみ見付けたって大声出して私たちを呼んだから…もしかして、見付かってる?
……………。
……そういえば悠人くんはぬいぐるみを見付けて私たちを呼んだんだよね?
だけど今悠人くんはぬいぐるみを持ってないし…エレベーターの中にぬいぐるみは無い。
でも悠人くんの声はエレベーター付近から聞こえたよね?
エレベーターに駆け込んだ時も見当たらなかったけど…見落としたとか?



