「あのね望絵、さっき先生を…その、こ、殺したやつは…『あの子』って言うんだけど、耳が良くて目が悪いの」
「………?紙に書いてあったよね…?」
「うんそう、それ。
だから音をたてないで。
音さえたてなければ大丈夫だから」
「…………わかった……」
「それと、『この子』って言うのもいるの。
『この子』は人を騙して『あの子』を呼ぶらしいけど、私たちはまだ見たことがない。
説明少ないけどわかった?」
「………」
無言でコクコク頷いた望絵を立たせて、お待たせ、と悠人くんに声をかける。
とりあえずはこれくらい説明すれば大丈夫だろう。
むしろ私もこれくらいしか知らないし。
「今は配膳室に向かってる途中。
放送室で見付けたあの紙に書いてあったからね」
「………うん」
涙を拭いた望絵が歩き始めた悠人くんの後を追う私の横に並んだ。
涙は止まったみたい。
あとは…朱里さんと桜ちゃん、歩、狛くん。
朱里さんと桜ちゃんは4階を調べてるんだっけ。
歩は…『あの子』に追いかけられて走っていったのを見たし…悠人くんと会ったときも追いかけられてたんだよね?
大丈夫かな…?
運良く音をたてずにやり過ごせてればいいんだけど…。
狛くんは………あれ?
全く情報がない…。
昇降口で別れて、そのまま…どこ行ったんだろう…?



