「………待って…悠人くん」
ふと前方に違和感を感じた私が、悠人くんを小声で呼び止めた。
暗くてよくわからないけど…誰かいる?
廊下の端に蹲(うずくま)っている人影がある。
よくよく耳を澄ませたらすすり泣く声も聞こえるし…。
カチ、と懐中電灯を付けて、その人物を照らしてみる。
なんとなく懐中電灯を付けていると幽霊に気づかれそうで今まで消していたんだけど。
その光に気付いたらしい人影が顔をあげる。
………見慣れた人物だ。
「望絵…!」
「!芽衣!!」
「……!しーっ!
あんまり大声出さないで!!」
私の必死の形相を見てか、望絵は口を抑えて感嘆の声を止めた。
「望絵、こんなところにいたんだ!
よかった…無事で…」
「それはこっちの台詞!
あんたあの変なのに追いかけられちゃうんだもん…!
先生みたいになったらって…怖くて…」
完全に泣き顔の望絵の頭を撫でて、悠人くんに視線を向ける。
はぁ、と溜め息を吐いて壁にもたれ掛かった様子を見るに…色々説明している間待っててやるよ、ってところかな?



