「ごめんね、悠人くん。
置いてっちゃって…。
見て、ぬいぐるみを見付けたよ」
「いや…別にいい。貸してみろ」
はい、とぬいぐるみを渡すと、悠人くんはすぐさま破いてくれる。
予想通りと言うか何て言うか、また中からは紙が出てきた。
「えーっとー…?
『ごめんなさい』…。え?」
裏を見ても何も書かれていない。
どうやらこれだけみたいなんだけど…。
ごめんなさいって…何?
なんで謝ってるの?
「…………?どういう意味だろう…?」
「さぁな…。
それより、3階には何もいなかったんだろ?
だったらそれより上の階を調べようぜ。
もう調べるとこなんてねーんだしよ」
「あぁ…うん、そうだね。
じゃあ行こっか」
立ち上がって歩き出す悠人くんに、慌ててついていく。
『ごめんなさい』は後で考えることにしよう…。
暗い階段を今度は2人でのぼり、配膳室へ足を向ける。
紙には3階配膳室と書かれていたからね。
この階段から一番遠い、校舎の端にある配膳室。
結構歩かなくちゃいけなかったけど、私も悠人くんも道中一言も発さなかったのはきっと怖さからだろう。
声を出してもしも『あの子』に見付かりでもしたら…。
そう考えると迂闊に物音は出せなかった。



