「―――ううん、じゃあ悠人くんはここで待っててくれる?
私が行ってくる」
「えっ…怖くねーのかよ…。
死ぬかもしれねーんだぜ?」
目を丸くしてこちらを見る悠人くんに、本心を悟られないように笑って見せる。
私だって心霊ものに強い訳じゃない。
でも、これ以上悠人くんを怖がらせたくない。
「大丈夫、怖くないよ。
私、幽霊とかそういう類いのものは平気な人なんだ。
だから悠人くんはここで待ってて」
「あ、おい―――」
何か言いかけていた悠人くんを無視して、外にでて扉を閉めた。
言葉を遮りたいならバタン!と音をたてて閉めるべきかもしれないんだけど…音をたてて気付かれたらどうしようもないから、そーっと閉めた。
『あの子』は「目をちょうだい」みたいな言葉を発しながら追いかけてきていたから、それが聞こえないか耳をすませながら慎重に校内を移動する。
図書室から階段は近い。
そっと階段をのぼり、右に曲がる。
そういえば外は真っ暗だけど…中庭は辛うじて見えるみたい。
ってことは中庭は出られる…というかあるのだろうか?
…………今は考えなくていいか。



