わたしはみんなに殺された〜死者の呪い【後編】〜




「………………おい、見付けたぞ…」

「えっ、早っ!!」


私まだ1歩も動いてないよ!!


図書室見渡してどこから探そうか考えただけでおわっちゃったよ!


図書室の奥の方で手招きする悠人くんに近寄ると、確かにくまのぬいぐるみがあった。


まあこれは…何て言うか、早すぎるのも納得というか。


こんなに通路のど真ん中に鎮座してたらそりゃ目がいくよね。


今まで見付けた2体もそうだったけど、なんだか隠す気がないんじゃないかと思うくらいに堂々と置いてあるなぁ。


隠してあるなんて書いてなかったし、別に普通かもしれないけど。


「悠人くん、これ破ける?
お腹辺りを裂いてくれれば良いんだけど…」

「は?嫌だし。
こんな気味悪いもん触りたくねぇよ…ただでさえこえーってのに…」


そういってぬいぐるみに訝しげな視線を送る悠人くん。


…………怖いって言った?


今怖いって言った………!?


そういえば、さっき放送室で歩が「悠人は心霊ものとかダメ」みたいなこと言ってなかったっけ?


なるほど…だから手伝ってくれたのか。


一人でいるよりは怖くないもんね…。