「そして技術室でまたぬいぐるみを見付けて、『あの子』について知ったの」
『あの子は耳がいい。だが目が悪い』
その紙をまじまじと見た悠人くんが、やっと合点がいったように息を吐いた。
「なるほど…じゃあその『あの子』ってのに会ったら音をたてなけりゃいいんだな?」
「うん、そう言うこと」
「わかった。
…………さっきの紙に図書室ってあったよな?
じゃあここにもぬいぐるみがあるってわけか。
探すの、手伝ってやるよ」
「えっ?」
「……………なんだよ」
「あ、ううん…ありがとう…」
びっくりした……。
まさか手伝ってくれるとは思わなかった。
知らなかっただけで、本当はいい人なんだなぁ…。



