わたしはみんなに殺された〜死者の呪い【後編】〜




例え生命力が強くても、果たしてその距離を歩くことは出来るのだろうか?


この建物は4階建てだから、屋上は5階と言ってもいい。


首に包丁を突き刺したまま、そんな距離を歩けるわけがない。



「調べたら家庭科室の包丁が一丁無くなっていて…それを使ったらしいの」


警察が学校全体を捜索した時には全部あったし、人もいなかったのに…。


次々と現れた遺体に、警察はもうお手上げ状態だ。


「それで、後から気付いたんだけど。

智哉くんが亡くなっていたすぐ側の空き教室で、真理さんの遺体が見つかったらしいの。


普段は空き教室なんて使わないから気付かなかっただけで…多分、何も起こらなかった2日目からあったんじゃないかな。

遺体は腐敗が進んでいて、匂いで気付いたんだって」



連続5日に渡って見付かった死体に、一向にわからない事件の真相。


今でもまだ、犯人はわかっていない。