「すごい!
すごいよ望絵!!
本当だ、気付かなかったよ…!」
「へへん、もっと褒めても良いんだよ?」
「あー…いや、もういいや。
望絵ってすぐ調子乗るし…」
「えっ………」
ガーン、と絵に書いたような落ち込みかたをする望絵。
それとは対称的に、私は嬉しさで笑顔になる。
じゃあ、ここを順に調べていけばいいのかな?
ここから一番近いのは…家庭科室。
「家庭科室!
家庭科室の番号は……」
そこまで言いかけて気付く。
家庭科室?
家庭科室…って、下駄箱とかロッカーとか、そう言うの無くない?
足を止めて紙を確認する。
「…………あ。
家庭科室に番号なんてないじゃん」
番号が書いてあるのはどうやら下駄箱と教室だけらしい。
他は…やっぱり自力で探せってことか。
1歩前進したと思ったんだけどなぁ。
はぁ、とため息を吐いて、私と望絵は家庭科室を調べるべく、移動を始めた。



