「でも…納得ってなに?
何を納得させるの?
私は全然思い付かないよ…」
桜ちゃんの不安そうな声に、皆が頷いた。
どうやら、誰もそこはわからないらしい。
「…………うん。
こんなんじゃダメだよね、うん!
皆、明るく行こうよ!
皆で協力すればなんとかなるって!
俺、悠人探してくるね。
あいつあー見えて意外と心霊ものとかダメなんだ」
ぱっと笑顔を見せた歩が、俺がバラしたって内緒ね?と笑いながら放送室を出ていった。
その顔はもうひきつってなくて…私たちを元気付けようとしてくれているのがわかった。
それにしても悠人くん、毒舌で不良みたいなのに怖がりなんて。
本当、人って見かけによらない。
「あ…朱里…私たちはどうする?
生徒玄関で先生待つ…?」
「どうせ出られないんだから…無駄よ。
それより桜、こんなものが置いてあったわ」
ひらりと朱里さんがかざしたのは、小さな四つ折りの紙だった。
どうやら放送室の机の上にあったらしい。
「何々…?
下駄箱…030123…。
教室…020403…?
家庭科室とか色々書かれてるけど、なにこれ?暗号?」
朱里さんの手元を覗いた望絵が首をかしげて中身の最初部分を読み上げた。
下駄箱とか教室とか、全部学校にある教室の名前だけど、その後の番号は…?



