『本来助けてくれるはずの立場…渡辺先生と、芽衣ちゃん。
あ、望絵ちゃんはついでね?
芽衣ちゃんと仲良かったから…まあ人数的な問題で』
「な、何それ…」
望絵は顔を白くした。
私は…何も言えない。
本当の事だから…。
『えっと、あとは…転校生かな?
君は、なんとなく。ごめんね』
狛くんはその声に、何も答えなかった。
表情にも出さず、ただ放送を聞いているだけ。
『あ、なんかところどころ敬語外れちゃってるし…もうやめちゃっていっか。
なんとなくゲームの司会者って敬語な感じしたからそうしてたんだけど、めんどくさいね。
じゃあ説明再開するけど、まず1つ確認。
今君たちの後ろにある生徒玄関の扉、開かなくしてあるんだけどわかる?
………あぁ、初めてだからなに言って良いのかわかんないや…。
前の5人の時はこんなことしなかったから…』
最後の一言で、なんとなくわかった。
5人…いじめていた、明美さんたちの人数とぴったりだ。



