とりあえず後のことを少し決めて、みんなで光の渦の前に立つ。



「……………………」



本当にこれで出られるのか…。



その不安が、少なからずと胸をよぎる。



「……………俺が、最初に行く」



心を決めた様子の悠人くんが、前へ進み出た。


そして、光の渦に思いっきり手を突っ込んだ。



「………………大丈夫…みたいだな」



どうやら先には空間があるらしく、突っ込んだ手先は見えないが、痛みなどはないようだ。


簡単に手を引き抜くことも出来るし、とりあえずはまた変なところへ送られて戻ってすら来れない…なんてことはないみたい。



「………じゃあ…行くぞ」



その言葉と共に、悠人くんは光の渦へ足を踏み出した。


光の渦に触れたところから、悠人くんの身体が見えなくなっていく。


まるで吸い込まれたかのように、悠人くんは光の渦に消えていった。



「………………じゃあ次は、私が行くわ」



朱里さんが後に続いて、光の渦に姿を消す。


残りは私と狛くんだけ。



「えと…どっちが先に行く?」


「は?………君が行けば」


「………うん。じゃあそうする…」



ごくり、と唾を飲み込んで、光の渦に手を伸ばす。


大丈夫。


きっと帰れる。


その思いを胸に、光の渦に勢いよく飛び込んだ。