「っ!!!
『あの子』が来たわ!」
「!?
どこに…あっ!みんな、逃げて!
上手く撒けたら昇降口に集合ね!」
朱里さんと歩の声に、みんなが一斉に走り出す。
私はもう走る気力もないと思ったけど。
私の足は、無意識に走っていて。
望絵。
なんで、望絵が。
望絵は何も悪くないのに。
どうして望絵が死ななきゃならないの?
………わからないよ。
巻き込まれただけの望絵が、なんで…?
死ぬなら私でいいはずなのに。
いつも私と一緒にいた望絵。
私が『あの子』に殺されそうになったとき、必死にかばってくれた望絵。
その望絵が。
望絵。
望絵…………!!!



