「あ!悠人!
良かった、無事だったんだね!」


「お前こそ、『あの子』に追いかけられてたんだろ!?
怪我とかしてないか?」


「……………。
これ、夢かもしれない」


「え!?」



いきなりよくわからないことを言った歩に、思わず聞き返す。


少しうつむいていた歩の顔が、バッと上がる。


肩を掴まれていた悠人くんが、びくりとそれに反応した。



「だって……あの悠人が!
俺を!心配したんだよ!?」


「ちょっと待て。歩、お前は俺をなんだと思ってたんだよ」


「毒舌で他人とかどうでもいい人」


「………反論はしない」


「しないの!?」


「が、歩は他人じゃねーだろ」


「…………あ、そっか。
幼馴染みだからか。なるほど。

いやいや、俺今まで一回も心配されたことなかったしやっぱ信じられない」


「なんでだよ!」