昇降口の目の前にある階段を横切って、3階を走る。


二人ってことは『あの子』ではないだろう。


ぐるーっと中庭を回り込むように向こう側に行くと、携帯の明かりを頭上で振ってこちらに合図を送る人が見えた。



「あれは……悠人くんと朱里さん!」




二人、一緒にいたんだ!


良かった。


悠人くんが手を振っているし、怖いのも少しはマシになってきたのかな?


朱里さんも、無事で良かった。



「芽衣」


「悠人くん!
歩、見つけたよ!」


「本当か!?」



私を見て幾分かホッとした様子の悠人くんが、私の言葉を聞いた瞬間に目を見開く。


それから、私の後ろについてくるように走ってきた歩の姿を見て、さらに安心したような顔をした。