「なんか私ね、『あの子』に襲われて死にそうになったんだけど。
その時パニックで細かいことは覚えてないんだけど、大雑把に言うと謝ったんだ。
だからそれがゲームクリアの条件だったりするのかなーって」
「…………………」
私が言うと、二人は沈黙した。
歩も桜ちゃんも、何かを考えているようだ。
そして、先に口を開いたのは…。
「ごめん、佐久間。
幼馴染みなのに助けてやれなくて。
俺…本当に後悔してる」
歩だった。
歩は謝った。
だけど、いつまで経ってもスピーカーがしゃべることはなくて。
「……うん、違うみたいだね。
芽衣ちゃん、他に何かしなかった?
些細なことで良いよ。
他に何か、特別なこと…」
あぁ、なるほどね。
歩は本当に謝った事がゲームクリアのトリガーだったのかを確かめたのか。
でも、違った?
ほか…他に私は…何をしたんだっけ…?



