「あ、芽衣ちゃんさ、悠人と会ってない?
俺ホラー映画とかって強い方なんだけど、いざこんな状況になってみると怖くてさ。
ホラー映画でもすぐ耳塞いじゃうようなあいつならもっと怖いんじゃないかなーって。
叫んじゃったら元も子もないし、心配なんだよね」
今のところ叫び声は聞こえてないから大丈夫だとは思うんだけど、と歩。
悠人くんかぁ…。
会うには会ったけどさ…。
「その…私、会ったよ」
「えっ、ほんとに!?」
「うん…すぐはぐれちゃったけど。
とりあえず悠人くんは『あの子』も『この子』も知ってるし、大丈夫だと思うよ」
「……そうなんだ…。良かった」
心底ホッとしたような顔をする歩に、悠人くんを思い出す。
確か悠人くんも歩を心配してたよね。
二人とも、幼馴染みだからなのかな、お互いを大切に思ってるって言うか…。
………でも、本当はこの中に佐久間さんも入ってたはずなんだよね。
佐久間さんも…二人と幼馴染みだったんだよね。



