わたしはみんなに殺された〜死者の呪い【後編】〜




「うーんと、目が悪くて耳が良いあの追いかけてくる女の子が『あの子』。

それで、色んな人に化けて私たちを騙し『あの子』の元まで誘導する…というか、『あの子』を呼ぶのが『この子』。


今わかってるのはそれくらいかな」


私が説明をすると、二人は理解した様子で首を縦にふった。



「ね、歩は他に誰かに会った?」



あとは朱里さんにさえ伝えることが出来れば良いんだけど…。


「んー…ごめん、逃げるのに精一杯で誰にも会ってないんだよね。

その、『あの子』ってやつが目が悪いのに気付くまでずっと走り回ってたからさ」


この通り汗だく、と歩は自分の身体を見下ろしながら言った。


確かに額には汗が滲んでいるし、少し疲れた様子だ。