「……………」 ペタペタ… ………足音が、遠ざかる。 どうやら『あの子』が諦めてくれたらしい。 「…………ん、もう大丈夫みたいだな」 狛くんもそれに気付いたのか、キィ、と掃除用具入れを開けて私に絡んでいた腕をほどいた。 そーっとそこから私が出て、それに続いて狛くんが出てくる。 そして、私は振り向いて狛くんを見た。 「えと…助けてくれてありがとう…」 「……別に。たまたまいただけだし」