海にまつわるエトセトラ?!

その出来事とはーーー


大浴場でさっぱりとしてきた私達は部屋に戻る途中、一人の紳士に声を掛けられたのだ。


「お嬢様がた、失礼でなければうちの若いのとご一緒して頂けないでしょうか?」


「はっ?」


まさにロマンスグレーとはこの事か、と言うような髪に穏やかな笑顔であくまでも紳士的に声を掛けてきた男性。


歳はかなり年配に見える。


まぁ、おっさん……もとい、おじ様たち独有の嫌な感じはない。


勿論、見る限り酔ってもいないようだ。


「突然のお誘いで驚かれたでしょう。うちの若いのが先ほど皆さんをお見かけして、お近付きになりたいと言うもので……。」


ん?


これって所謂、ナ、ン、パ……


いや、この人、ぶっちゃけ初老やん。


この人の言う若いのって一体……。


あまりにも丁寧な物腰で言ってくる紳士になんて答えたら良いのやら…。


「行ってみようよ、面白そうじゃん!これから夕飯なので、その後、お邪魔して良いですかぁ?」


ジャンっ子……じゃなかったハマっ子ゆうちゃんがいつものノリで返事をしてしまった。