海にまつわるエトセトラ?!

夜の海と言っても旅館やホテルの明かりで真っ暗って事は無く、ただ波の音と海からの風が気持ちよかった。


7人で歩きにくい砂浜を賑やかに歩いていると、皆からサトシと呼ばれていたリーダー格の人が


「まいちゃおっか?」


と私の隣にスッと並ぶとそう言ってきた。


「えっ?えっ?」


言ってる間に手を引かれ岩場の影へ。


ちょ、ちょ、ちょっとー


な、何これ。


なんつー、シチュエーションなん!


岩場の影に並んで座って少し話した。


「俺達、偽名なんだ。」


「えっ、そうなん?」


「用意周到だろ?でも仕方ないんだ。そういう決まりだから。」


「ふうん、色々と大変ねぇ探偵さんも。」


「まぁね。今日は楽しかった。あんな胡散臭いおじさんの誘いに来てくれてありがとう。」


と笑いながら言う。


「いや、こちらこそ。なんかお菓子とかたくさんご馳走になっちゃって…。」


なんだかこそばゆい感じになる。


「あのさ……」


「ん?」


彼が何かを言いかけた時ーーー












「こらー、そこっ!お前ら二人でズルいぞー。お前、後で先生に言うからな。」


「ほらね、探偵同士だから逃げも隠れもそう簡単には出来ないんだよなぁ。」


そう言ってさっと手を出し私を引っ張り立たせてくれる。


「そこー、手繋ぐなーっ!」


「バカっ、立たせてあげただけだろが。ったく、うるさいよな。」


そう言うと私の前を歩きだした。


私もすぐ後ろを付いて歩き出すとサトシと呼ばれているその人が急に振り返って言った。





ーーー研修中の身だから連絡先とかも聞けないけど、俺達が本気になりゃ簡単に見つけられるから、君達のこと。












なんじゃこの人は。
ギザな事、言っちゃってぇ。


だけど、いつかそんな時がくるだろうか?


サトシという彼の本当の名前を知る事があるのだろうか?


私は少し強くなった海風に揺れる髪を抑えながら相変わらず、賑やかに騒ぐみんなの元へと駆け寄った。