*咲side* 「咲…。」 「爽太…わぁっ!?」 突然、爽太にぎゅっと抱きしめられた。 …少し、痛いくらいに。 ど…どうして? どうして爽太が、あたしのところに来ているの? どうして爽太が、あたしを抱きしめてるの? “好きじゃねえ” って、そう言っていたじゃない。 忘れたいのにいやでも耳に残っている、あのひとこと。 そして今、この状況を理解したくても…できなかった。