「うっ…ふぇ…っ」 ぼろぼろとスカートにこぼれ落ちる涙。 流れる涙を必死に制服の袖で拭ったけど、あまり意味がない。 声を押し殺して…泣いた。 ______でも。 「さ、き…?」 「………っ」 あたしの、馬鹿。 美術室の扉の目の前で泣いていたら、爽太が出てきて気づかれるの、当然じゃん。 …どうしよう。 爽太の顔を見ることができないよ。