「じゃあ…爽太、バイバイ!」 え、バイバイ? 咲は笑顔で俺を見上げて手を振っているけど。 「…いや、待ってるから。早くしろ。」 俺はそれに首を横に振った。 嫌だわ、バイバイなんて。 せっかくまた、こうして話せるようになったんだし。 また、一緒に帰りてえよ。 咲は一瞬不思議そうな顔をしたけど、すぐに理解したようで。 「すぐに戻ってくるね。」とにこりと笑ってそう言うと、咲はパタパタと軽い足音を立て教室まで戻っていった。