有馬はクラスメイトだけど、あんまり話したことがない。 いつも男子に囲まれてるし、でも時々目が合ってたような…そんな存在。 そして有馬が傘を開く。 「あっ…じゃぁね?」 「おぅ、じゃぁ…」 そう言って有馬が傘をさし、3、4歩いて立ち止まる。 「……?」 すると有馬は振り返り、菜実の前に立ち傘を差し出す。 「……え?」 「……使えよ」 「えっ!?いや…いーよ、もう少し止むまで待ってる」