都合のわるい女

ーーーどかっ!


突然の衝撃に、俺は「うおっ!?」と声を上げた。


目を剥いて顔を上げると。



「………たっ、タカハシ?」


「………」



タカハシが冷ややかに俺を見下ろしていた。

その手に、空になったビールのジョッキが握られているのを見て、俺は気づいた。


俺は、タカハシから殴られたのだ。

しかも、ビールのジョッキで。



「……おまっ、なんだよ急に!
危ないだろ!?」


「…………」


「打ち所か悪かったらヤバかったぞ!
死んだらどうしてくれる!」


「知るか、ばか!」



タカハシは、酔いのせいだろうか、顔を真っ赤にして、目を潤ませて、俺をじとりと睨みつけている。