「もうすぐ、こんな世界からおさらばできるんだね」 不思議と晴れ晴れしてた。 恐怖心は微塵もない。 「死ぬのも、2人一緒なら怖くないね。美愛ちゃんに出会えてよかった」 まさか。 最後の最後に、人に感謝される時がくるなんて。 こんな私が、人から感謝されるなんて……。 「薬、飲むね」 彼の言葉に照れくさくなって、睡眠薬を口に頬張って水で流し込んだ。