「ところで」
2人で浴槽に浸かって数分。
段々と体が熱くなってきた。
「どうやって死ぬ?自殺の手段はもう決めてあるの?」
彼は顔色を全く変えず、物騒な事を口にした。
「決めてない……。どうやって死ぬのがいいのか、わからないもの」
死にたくても、わからない。
どうすれば簡単に死ねるか。
否、この世に老衰以外に楽な死なんて存在しないだろうけど。
「そうだね、わからないよね。ほら、たまにドラマとかである首つりはとにかく苦しいらしいよ?睡眠薬を大量に服用しても昏睡状態には陥るけど死ぬ事はないらしいし、手首を切って死のうにも、相当深く切らないとダメみたいだし」
真くんは、どうしてそんな事を知ってるんだろう?
でも追及はしないでおいた。