お互いに無言のまま、大きな浴槽に体を沈めた。
「……」
湯船に浸かりながら自分の左腕を見つめた。
切り傷の痕が痛々しい。
そして妙に虚しい。
「美愛ちゃん」
真くんの手が、私の左腕に触れた。
「僕がキミに声をかけた理由ってさ、何でかわかる?」
「……わからない」
真くんの方はあえて見ずに素っ気なく返答した。
「答えは簡単。単に僕と重なって見えたからだよ。なーんか僕と同じように……苦しんでるように見えて、他人とは思えなかった」
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