「理由なんてないよ」
「そうなの?でも危ないよ?女の子があんな場所を夜に出歩くなんて危険な事だよ?」
「そうだね……でも、いいの。何かもう……どうにでもなれって感じだったから。ヤケクソだったんだろうね」
こんな時間に出歩いたのは、自棄になってたからだろう。
自分がどうなってもいいって思ったから。
「一ノ瀬くんは」
「あ、真でいいよ?」
「ま、まこ、真、くんはどうして、あんな場所に……」
私の質問に真くんは悲しそうに笑った。
その笑顔は壊れそうで。
胸が苦しくなった。
「美愛ちゃんと同じ理由、かな。僕もヤケクソだったんだよ」
彼は悲しそうな顔をして、そのままベットに寝転がった。