「……何で嫌いなの?」


「だって……この名前の由来は美しくも、みんなから愛される子になってほしい、だよ?私は……私はっ、みんなから愛された事なんか一度もないっ……!!」



つい、感情的になった。


怒りをぶつけるみたいに。


八つ当たりみたいに。



何も関係ない人に怒鳴ってしまった。





「愛された事ない、か……」



彼は静かに呟いた後、私を見てニコッと笑った。





「僕は一ノ瀬真(いちのせまこと)。真心の真でまことって読むんだよ」


いいな。

素敵な名前で……。


この子にすごくピッタリな名前だな、と思った。