「……何で嫌いなの?」
「だって……この名前の由来は美しくも、みんなから愛される子になってほしい、だよ?私は……私はっ、みんなから愛された事なんか一度もないっ……!!」
つい、感情的になった。
怒りをぶつけるみたいに。
八つ当たりみたいに。
何も関係ない人に怒鳴ってしまった。
「愛された事ない、か……」
彼は静かに呟いた後、私を見てニコッと笑った。
「僕は一ノ瀬真(いちのせまこと)。真心の真でまことって読むんだよ」
いいな。
素敵な名前で……。
この子にすごくピッタリな名前だな、と思った。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…