とりあえず私もベットに座った。 「……」 「……」 流れる沈黙。 何か会話をしようにも、話題がない。 「そういえば」 沈黙を彼が先に破った。 「名前、聞いてなかったね。ねぇ、何て名前なの?」 「……相沢美愛」 「……みあ?」 「美しいに、愛って書いて“みあ”って読むの」 「へー。綺麗な名前だね」 そんな事、初めて言われた。 「私はこの名前、大嫌いだよ」 自分の名前を好きだと思った事なんか、一度だってない。