私達の間に、何とも言えない微妙な空気が流れた。 丁度その時、頭の上にポタっと水滴が落ちてきた。 「え……」 上を見ると、次から次へと地上に落ちてくる水滴。 やがて、ザァァァと音を立てて雨が降り注ぎ始めた。 「あー、降ってきちゃったなぁ……」 彼は冷静に呟いて、そして……。 「少し雨宿りしようか」 「っ……」 私の腕を掴んで、走りだした。 展開が急過ぎて、私は抵抗もせずにただ走った。