真っ暗な世界





いいな。

私も、こういう優しそうな顔に生まれたかった。


羨ましい。




「でもさ、危ないよ?こんな時間に、こんな所を女の子が1人で歩くなんて」


「別に……」


「早く帰った方がいい。ここには欲に飢えた醜い人間しかいないから」



別に私は、どうなっても平気よ。


それよりも……。





「あなたも……帰った方が、いいよ……」



こんな時間に中学生が出歩くなんて……。





「僕は平気だよ。怖い物なんてないから。それにもう17なんだから、子供ではないよ」


17……。
じゃあ、私と同い年なんだ。