真っ暗な世界






驚いて上を向くと……。




「……」


「大丈夫?」



立っていたのは、制服姿の男の子。

中学生……?



私は彼の手も借りず、自力で立ち上がった。




「豪快に転んでたけど、平気?どこも痛くない?」


「だ、大丈夫です……」



クスッと馬鹿にしたように笑われた。



いかにも、大人しそうな男の子。


ブレザーのボタンはきちんと全部留めて。

ピシッと整ったネクタイ。


黒淵のメガネに黒髪。

でも……優しそうな垂れ目。