「いや、それはないな。俺が見たのはあきらかに女だ。少女には絶対に見えない。」
悠祐が優に反論した。
すると、優はまた考え込んでしまった。
「じゃあ、この学校にはたくさんの霊がいるのかな…?」
「うん。たくさんいるよ。1人や2人どころじゃなくて、10人も20人もいる。」
玲ちゃんがどこか遠く見ながら言った。
玲ちゃんには見えているのかな…?
近くにうようよいるのかな…?
でも、たくさんいたとしても、全てが私達を襲う霊ではなさそう。
たぶん、この中で5人くらいが襲ってくるんだろうな…。
簡単に考えるとそのくらいだろう…。
「あ、そういえば、水はどうだった?」
恵が言って、私はまだそのこと話していないことに気づいた。
「ああ。それなんだけど…、水は出なかったよ…。でも、血が出てきた…。」
「血なんか、ドラキュラくらいしか飲まないよ。」
「だから、どうしょう…。飲み物ないよ…?」
「じゃあ、もう、方法は1つでしょ!」
「…え?」
恵は誇らしげな顔をしている。
私は何が言いたいのかわからない。
「つまり、喉が渇く前に、脱出しちゃえばいいんだよ!」
「えぇ…。」
「なにその反応?!」
私はその考えには納得できない。
だって、もしも出られなかったら…?
もしも、みんな…。
「香織のことだから、出られなかったらとか考えてるんでしょ?」
「…っ。」
うなずくわけにはいかないけど、図星だった。
「大丈夫だって言ってるじゃん!」
「どうして何も根拠がないのにそう言えるの?」
私は恵の明るさが不思議に思って聞いてみた。

