「咲、電話での話を詳しく教えて」
愛海の顔は真剣その物で、静かに頷く。
「私も、朝お母さんに突然 言われて…。
悠莉のお母さんから連絡が来たんだって」
何も言わない、愛海。それでも私の目を真っ直ぐ捉えるその瞳。
「悠莉が倒れた、それをまだ信じ切れていないの。」
きっと、愛海も出来る事なら信じたく無いと思う。 昨日は元気だった友達が、いきなり倒れたなんて。
「まだね、嘘か夢かそんな事ばっかり考えてる。
でもさ、悠莉が倒れた倒れて無いなんてさ、行かなきゃ分かんないじゃん」
"病院に。"そう付け足した愛海は、迷いなんて無くて。 行くつもりだったんでしょ?と言っている様だった。
駄目だなぁ、いつも愛海に引っ張られてばっかりだ。
そう思ったら何だか笑ってしまって、だけど自分でも気付かなかった迷いが、確かに消えていた。
「うん!そうだね、行こうか 病院。」
「だね!そうと決まったら、善は急げだ!」
"ちょっと使い方ちがくない?"また笑い合った。
その後、悠莉のお見舞いに行ったんだ。


