薄暗い涼の部屋で、ベッドの横に置いてあるランプの柔らかなオレンジ色の光に照らされているのは、困った様子であたしと目を合わせようとしない涼の姿で。 嘘でもいい。 嘘でもいいから一度だけ、あたしを大切だと言ってさえくれたら。 「…百花」 でも、あたしは知ってるよ。 涼は、そんな適当な気持ちで大切だなんて絶対に言わない。 口が悪くて態度もデカくて、簡単に女を利用する最低の男だけど。 そこを言わない優しさは、時としてとても残酷で。 「…ごめん、なんでもない」